患者さまへ

補聴器外来

補聴器外来では、難聴により日常生活において不便を感じている成人の方を対象に、補聴器の選択、調整、装用指導を行っています。日常生活の中で不便を感じるどうかは、難聴の程度だけでなく、人それぞれの生活環境により左右されます。一般には中等度〜高度難聴の方が適応とされていますが、軽度難聴の方でも「職場、会議で困る」、「会合や習い事で遠くの人の話が聞きとれない」といった不便を感じているのであれば、補聴器の装用により改善する方もいらっしゃいます。

補聴器の装用は聴覚のリハビリテーションに分類されます。ご本人の装用意思が重要ですが、ご家族の勧めをきっかけに受診される方、難聴や耳鳴を主訴に当科を受診した際に医師に勧められて受診するかたなどさまざまです。「聞き返さないといけないので人と会うのが億劫になった」といった理由で外出や人との交流が減ってしまうのはとても残念なことです。一度補聴器外来にご相談下さい。多くの場合、中等度〜高度難聴の方はまずよく聞こえるほうの耳での片耳装用から始めます。その上で、必要に応じて両耳装用に変更したりします。

なお、幼小児の難聴の方に対する補聴器の調整などは、幼児難聴外来で行っています。


受診までの流れ

  1. 補聴器外来は他の専門外来と同じく予約制となっています。まず、当科外来(初診、または再診)を受診していただき、聴力検査を受けていただきます。その時点で補聴器の適応の有無を判断し、ご本人のご希望を確認した上で専門外来の予約を行います。
  2. 専門外来受診に先立ち、ことばの聞き取りなどについてのより詳細な検査を受けていただきます。その折に、補聴器装用に関するアンケートにもお答えいただいております。
  3. 専門外来を受診していただきます。業者(認定補聴器技能者)立ち会いのもと、補聴器の機種選択、調整、装用指導を行い、補聴器を装用した状態で再度ことばの聞き取り検査を受けていただきます。補聴器の効果があると判定されれば、補聴器の貸し出しを行います。
  4. 2〜3週間を目安にご自宅などで補聴器を使っていただき、再度専門外来を受診していただきます。感想を伺い、必要に応じて再調整、機種変更、貸し出しを繰り返します。ご希望により、耳あな型補聴器等のかたどりも行います。
  5. 効果が十分であると判断されれば、患者様に業者よりの購入を検討していただくことになります。あまり効果が無いようであれば、補聴器を返却していただきます。(この過程は、信頼できる認定補聴器専門店を紹介させていただき、そこで進めることもあります)
  6. また、すでに補聴器を持っておられる方では、その補聴器が最も適したものであるかを調べ、必要であれば再調整、機種や装用耳の変更(反対の耳へ、あるいは片耳→両耳へ)などを行います。