幼児難聴外来
担当医師
尾崎 昭子 (助教) 平成22年卒 |
日本耳鼻咽喉科学会認定専門医 |
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櫟原 崇宏 平成15年卒 |
日本耳鼻咽喉科学会認定専門医 |
幼児難聴外来の特徴
新生児期、幼児期、小児期に難聴が疑われる場合の聴覚スクリーニングから補聴器フィッティングまでをおこなっています。受診の動機は、家庭で難聴を疑う場合、医療・健診の場で難聴が疑われる場合、言語発達遅滞を認める場合など多岐にわたります。難聴が発見された場合は、聴覚学習(ことばの獲得のための訓練など)を療育機関と連携をとりつつすすめるとともに、聴覚の長期管理をつづけています。なお言語発達遅滞児については、当院小児科の小児神経外来との密接な連携をとりつつ、聴覚障害の検出にあたっています。
幼児難聴外来での診断・治療の進め方
難聴の早期発見と早期療育のために
保護者、関連する医療スタッフ、療育機関とのより密接な連携をすすめるようにしています。
施行している聴覚検査
聴性脳幹反応検査(ABR)、耳音響放射(OAE)、行動反応聴力検査(BOA)、条件詮索反応検査(COR)、遊戯聴力検査(Play Audio)など
診療実績
初診患者数 | 57名(2002年) |
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補聴器フィッティング | 3件(2002年、聴覚学習は全員療育施設に依頼) |
聴覚ハイリスク児のABR (当院NICUで施行) |
90件 |
補聴器の活用
難聴が見つかったら、あるいは強く疑われたら、難聴の程度に応じて早急に対策を講じます。補聴器が有効と考えられたら、できるだけ早期(生後6ヶ月以降)から補聴器を活用して、人の言葉はもとより、周囲のさまざまな音を聞かせてあげるようにしています。
写真のように、耳にピッタリとフィットする補聴器を用意します。
聴性脳幹反応(ABR)
音を聞いたときに発生する脳波を検出して、どの程度の聴力があるのかを予測します。
ことばの発達についての研究
ことばの発達(言語発達)の遅れをきっかけとして発見される難聴児はいまだ多く見受けられています。 結果としてもう少し早く見つかれば、と思うのは当然のことですが、実際には早期発見は困難であったと思われるケースがほとんどです。なぜならことばの発達の程度はこどもによって大きく差があるからです。「もう少ししたら追いつくだろう」、「しゃべりだしたらすぐに追いつくよ」、などと検診の時に言われたり、周囲から言われたり、親もそのことばを信じたり、の積み重ねの結果、発見が遅くなってしまいます。
幼児難聴外来ではこのような事態を受け、ことばの発達の客観的な指標を作成するプロジェクトを立ち上げています。一般的によく知られている、口にすることばの数や表現などを指標にすると、生活環境や個人差が複雑にからんでくるために評価があいまいになってしまいがちです。そこで実際に発せられたことばをより客観的に評価するために、ことばを音響学的に分析します。