音声・喉頭・嚥下外来
担当医師
東野 正明 (講師) 平成12年卒 |
日本耳鼻咽喉科学会認定専門医 |
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音声・喉頭の特徴
音声障害患者に対する治療方針は(図1)のように、喉頭ストロボによる観察、発声機能検査(図2)の結果などをもとに決定しています。治療は、手術療法のほかに、耳鼻咽喉科かかりつけ医との連携による薬物療法(投薬、ネブライザー療法など)、リハビリテーション科との連携による音声リハビリなどを随時選択しています。
音声・喉頭外来での診断・治療の進め方(図1)
嚥下障害患者に対しては、内視鏡所見、X線透視検査(図3)などを活用して、嚥下障害のタイプを診断し、嚥下改善手術、誤嚥防止手術や嚥下リハビリテーションの適応について、神経内科、リハビリテーション科と連携して決定しています。
実施しているおもな治療法と対象疾患
喉頭微細手術: 声帯ポリープ、ポリープ様声帯、声帯結節、声帯嚢胞、喉頭癌疑い例など
声帯内方移動術(喉頭形成術、声帯内側頭筋膜自家移植術など): 反回神経麻痺、声帯溝症など
声門開大術(Ejnell法、披裂軟骨切除術): 両側喉頭麻痺
嚥下改善・誤嚥防止手術: 嚥下障害
音声リハビリテーション: 声帯結節、痙攣性発声障害、心因性発声障害など
手術件数(2014年以降)
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2014年 |
2015年 |
2016年 |
2017年 |
2018年 |
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喉頭微細手術の疾患内訳 |
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声帯ポリープ |
6 |
9 |
10 |
16 |
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ポリープ様声帯 |
4 |
8 |
6 |
4 |
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その他 |
7 |
12 |
17 |
11 |
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計 |
17 |
29 |
33 |
31 |
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声帯麻痺に対する手術の術式内訳 |
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声帯内方移動術 |
4 |
3 |
3 |
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声帯内自家脂肪移植注入術 |
1 |
1 |
1 |
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嚥下障害に対する手術 |
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誤嚥防止手術 |
1 |
1 |
2 |
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嚥下機能改善手術 |
1 |
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その他 |
2 |
2 |
3 |
3 |
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≪論文≫
- 尾崎昭子、東野正明、鈴木倫雄、河田了、里見英俊、栗栖義賢:再発を繰り返した限局型喉頭アミロイドーシス例、耳鼻臨床 110(1)、13-18、2017
- Higashino M, Kawata R, Omura S, Kikuoka Y, Suzuki N, Terada T: Outcome of tracheostomy closure in oral cancer surgery patients:Journal of Otology and Rhinology、5:3、2016.
- 東野正明、鈴木倫雄、櫟原新平、櫟原崇宏、李昊哲、河田了:気管孔閉鎖不全症例の検討:日気食 66(1)、7-12、
- 東野正明、東川雅彦、小橋祐子、長谷川恵子:地下鉄駅での火災による煙害患者の受け入れ経験:日気食 64(4)359‐362、
- 長谷川恵子、櫟原新平、西川周治、東野正明、李昊哲、河田了:当科における急性喉頭蓋炎91例の検討:日気食 64(3)、175-181、2013.
- 東野正明、林伊吹、高橋俊樹、須原均、二村吉継、櫟原新平、青野幸余、松尾彩、川上理郎:心臓血管外科術後の嚥下障害患者の検討:耳鼻 56補2、181‐188、2010.
- 東野正明、川上理郎、長谷川恵子、峰晴昭仁:開放性咽頭外傷により生じた舌運動障害症例:日気食60(6)、496‐500、2009.
≪発表≫(論文化していないもの)
- 谷内政崇、東野正明、西川周治、河田了:声帯麻痺を伴った頸部炎症性偽腫瘍例:第30回日本喉頭科学会、3.
- 神人 彪、東野正明、吉田恵、吉田卓也、西川周治、河田了:当科における声帯麻痺症例の検討:第68回日本気管食道科学会総会、11.
- 東野正明、大村修士、菊岡祐介、吉田恵、稲中優子、河田了:ポリープ様声帯患者の呼吸機能の検討、第335回日耳鼻大阪地方部会、12.
- 東野正明、李昊哲、河田了:喉頭良性疾患に対する術前後の音声評価について:第320回日耳鼻大阪地方部会、3.
- 東野正明、川上理郎、長谷川恵子、峰晴昭仁:放射線晩期障害による嚥下障害の1例:第308回日耳鼻大阪地方部会、3.
- 東野正明、川上理郎、長谷川恵子、峰晴昭仁:摂食嚥下障害患者の抽出方法‐摂食嚥下評価シートの導入‐:第32回嚥下医学会、2.